Tasting
酒好きの方には、余興や気軽な遊び、ワイン等の頒布会、酒屋の店先(酒売り場)、Bar等で(ブラインド)テイスティングを経験したことがある方も少なくないかと思われる。
では、その目的は?
改めて、ちょっち興味が湧いたので、知り合いのソムリエなどワインを扱っている方々に聞いてみた。まぁ、聞いた相手がそういう方達なので、ある程度想像はつくかとは思われるが、大きく2つ。顧客への提供者としてのコメントと、仕入れ担当としてのコメント。
先日、勝沼にて会員になっているワイナリーの栽培クラブ向けのテイスティング会に参加した。会の趣旨は、栽培クラブで担当している鳥居平の畑とワイナリーで栽培している明野の畑で収穫された葡萄によるワインの比較。
以前、今後の栽培クラブの運営についてワイナリーとの懇談があり、その中でそれぞれの畑/葡萄の違いについて触れられることがあった。とはいっても、栽培クラブのメンバーはその違いについて知らない、明確にしましょうということで実現したもの。社長の粋なはからい。
テイスティング当日、対象は、2007年に収穫された製品化前のもの。
供された1~6の番号を付されたグラスを、先ずはブラインドで試し、その後、種明かしをして認識を深めるというもの。内容は1~3が単一品種、4~6がブレンド(これも種明かしの段階で明かされる)。
個人的な感想(ここでは詳細には触れませんが... 興味のある方は、個人的に直接聞いて下さい)としては、場所の違いがあるにせよ栽培技術の違いが如実に顕れ、眼から鱗とは当に。ブレンドものもトップキュヴェから3rdまでを想定したものとのことで、そのブレンド比率により成程と思わされる出来となっている。
そんな中で印象的だったのが、品質管理担当のトップをされている方のテイスティング・コメント。中々、醸造側の方のテイスティングには立ち会うことができないので、非常に興味深く伺うことができた。冒頭でふれた販売をしている方達のコメントとの明らかに支店が違う。自分にとっても、テイスティングとは何だろうと改めて考える機会を与えて頂いたと感じられた(そもそも、何にも考えていないということを認識させられたというのが、正しいか)。
醸造家は、勿論、生産者なので、その品質や自分達の標榜する性格のワインがどこまで製品に反映されているかのチェックといった側面が強く出るコメント。
販売者は、品質は当然として、味わいの性格などから自分の顧客に受け入れられるか、(仕入/提供)価格に見合っているかといった側面が強く出る。
本や雑誌などで知るところでは、鑑定家は、ちょっと偉そう(スノビッシュ)。枠にはめようとしたり、点数つけたりで。
では、自分はどうか?
それは置いておくとして(逃げてるか?)、醸造家(生産者)のコメントが興味深かったのは、鑑定家のように多くの言葉や詩的な表現はなく、代表的なテイスティング用語で的確にワインの出来や性格を分析しているところ。葡萄の品質や、醸造過程でのそれぞれのステップが適当に対処されていたかといったことをチェック/表現している。
テイスティングは、往々にして主観的・個人的になりがち(に思える)なところを、客観的に基準をもって捕らえようとしているところが、非常に新鮮に映った。
多分、突き詰めていけば、表現する以上は、どんなテイスティングも外向きの表現になっていくので、客観性や基準がないと意味がないとは思われる(じゃなければ、言葉にする必要はないだろうから)。
その客観性/基準を明確にして当事者間で伝え合うことに目的意識を持っているんだろうと、不意に認識させられたことが非常に実感として湧きあがり、ちょっと反省を促された。
目的意識。どんな仕事でも重要だなぁと。
たまには、眼を瞑って作り手のことを想い、何を表現したかったのか、考えながら飲むのも良いかもしれない。
西郷





