飲み比べ-LAPHROAIG 15年
「現行品と比べてどうなの?」
そんなシンプルな質問を、先日、友人から投げかけられた。
これまで現行オフィシャル・ボトルとの比較というのは殆どといっていいくらい書いていない。確かに、どうなの?と思わる方もいるかもしれない。
かく言う自分も、元々は当時の現行オフィシャル品を入口としてモルトの世界に入っていったわけで。成程、オールドばかりに目を向けるのではなく、ある意味、原点回帰ということも含めて、現行オフィシャル品と併せて書いてみようと思った次第。
というわけで、今回は次の2つに的を絞ってみた。
① LAPHROAIG Aged 15 Years 43%Vol(2009年末で終売;2010年からは18年が販売となったよう/正確には現行品と呼べなくなってしまいましたが、ご愛敬)
② LAPHROAIG 15 Years Old 43%Vol(ラベルの中央に大きく赤字で15と表記のあるもの;70年代末頃から80年代初頭に流通したもの)
さて、比べてみるとどうか?
定石に則って、先ずは、「色の濃さ」から。
① やや薄め。
② 中程度の濃さ。
色のトーンは、どちらも琥珀色の中にやや緑色が入っているが、②の方が艶やかで深みがある。
上からの照明を通して、グラスの足元に丸く落ちた光の大きさと影の色に違いがある。②の方が中心の円が小さく、琥珀のトーンが強く、グラデーションが見てとれる。
次に「香り」を。
① グラスの口から横方向へ香りが拡散していくような感じ。そのためか、鼻先で香りが展開されているような印象。香りとしては所謂ヨード臭が鼻の周りに広がる。ミネラル感とアルコールの刺激臭が強めに感じられる。パキパキッとして輪郭に角があるような(言い方を変えれば、溌剌とした若さのある、とも言えるか)ニュアンスで、後から草のような青みがかった香りもほのかに感じ取ることができる。
② グラスの中心から鼻の中へ香りが入り込んでくるような感じ。中心から縦方向に香りが伸びてくるように感じられるため、グラスの中へ香りを追っていけるような奥行き感がある。
独特のヨード臭はあるが、ピートや樽に由来すると思われる、やや腐葉土っぽい感じや、湿った麦藁、赤黄色っぽい果実が熟したようなニュアンスも感じられ、充分な複雑味がある。しっとりと落ち着いた香りには、後から穀物感も追って漂ってくる。
そして、テイスト。
① 意外なほどに甘みがある。カラメルっぽさも。
独特の焦げた土とミネラル感が混じり合ったフレーヴァーにアルコールが強く乗ってくる。ローストした樽の湿った煙香が余韻として喉の奥の方で燻っている。
フレーヴァーの奥に残るように、熟しきった果実のようなフレーヴァーも若干感じられる。また、バニラ香もあり、テイストの底辺部分にキリッとした苦味がある。
② とても柔らかい触感で優しく舌の上に乗っかってくると、直ぐに口のなか全体にその柔らかな触感が拡がっていく。そのため、最初に優しくしっとりとしたモルト独特の茶色い甘みが口の中に拡がり、そのまま自然に細く長く続き、ゆっくりと終息していく。
黄色っぽい果実の熟れた感じ。焦げたような香りと程良い苦味がフレーヴァーを底から支えており、甘みに対してバランスをとって全体を引き締めている。
また、ややオイリーな感触が余韻を滑らかに残していく。
どちらも、LAPHROAIGの15年というラベルが貼られ、独特のヨード臭は持ちつつも、個々の要素には何気に違いが出ている。また、香りに良く顕われていた横系/縦系の違いなどは、拡がりと立体感に大きく影響があると思われる。
また、①がヨード臭はヨード臭、甘みは甘み、苦味は苦味、としてそれぞれが拮抗しあっているところを、強いアルコール感で一つに纏めようとしているのに対して、②の方は、色々な要素がありつつも全体が最初に口に含んだ甘みの中に集約されていて、一体感を為している。全ての要素が全体としての一つのフレーヴァーを醸し出している。そのため、要素毎の個性が立つのではなく、自然にまとまっている。
たまには、こんな飲み比べも良いかも。
自分の好みや、何で飲んでるのか(の手掛かり?)も見つかる気がする。
はたまた、友人への一つの回答にはなったでしょうか?
西郷





