アメリカン

ブランデー、水で割ったら、アメリカン。

一定年齢以上の方なら覚えているであろうフレーズ。
ミュージカル仕立てで、シェリル・ラッド(これも時代。チャーリーズ・エンジェル!!!)が華やかに歌って踊っていたのを思い出す。サントリー V.S.O.P. の懐かしいCMがフラッシュバックする。
フラッシュバックついでにYou Tubeで検索してみると、出てくる出てくる。V.S.O. Deluxeと併せて何パターンも当時のCMが。
ついでに一緒に出てきたのがファラー・フォーセット(初代! チャーリーズ・エンジェル!!!)。銀座ジュエリーマキの赤いドレス姿だ。懐かしいどころではない。子供心に僕の綺麗な女性(そして華やかなアメリカ人)像の基準を植え付けてしまった人達...
そういえば、当時のCMといえば、ちょっとお洒落だったり、大人なイメージ物(夜9:00以降は特に)には、男女を問わず外タレが多かった覚えがある。
ブロンドでボリュームのあるパーマをかけたゴージャスな長髪とツルっとした生地感のドレスを纏った彼女達が、これでもかとアメリカン・オーラを画面から放ってくる。そんなのを子供が浴びせられたら、誰でも外人コンプレックスになるというものだ。
しかし、こういうCMをYou Tubeにアップする(できる)のは、どういう人なんだろう?

話しが思いっきり逸れた。
サントリー V.S.O.P. に戻る。同社のHPを確認するとまだ販売している。ちょっと驚く。個人的には、上の記憶とともに過去のものとなっていたもので...
それはそうと、同様にHPでは、V.S.O.P. の意味も書かれていた。「Very:非常に、Superior:優良な、Old:古い、Pale:透きとおったの略語です」とのこと。

 

2011030701.jpg何でこんな話しになったかというと、本日の主役、ABERLOUR V.O.H.M.を見ると、決まって思い出すから。
今回は、10年と12年の両方が揃っていたので、飲み比べをしてみようということに。ちなみに、これらのボトルも先のCMと同じ頃に流通していたもの。何となく因果を感じたくなる。
こちらのV.O.H.M.は、"Very Old Highland Malt"の略。ボトルもコニャックのミミック。狙いは分かり易い。でも、バックバーのモルトコーナーに並んでいると、ちょっと浮いている。
ちなみに、Very Old の意味するところは、ちょこっと調べた限りでは分からなかった。

さて、先ずは10年から。
色はちょっと薄めの琥珀色。赤みがかった照りのある落ち着いたもの。
香りについては、最初に熟成香がしっとりと香ってくる。ちょっと奈良漬けに似たような香り(発酵した酸味ではなく、枯れたようなアルコール感とでもいうのか)も軽く感じられる。立ち上る香りはとてもこなれてはいるが、中心には一本筋が通ったしなやかさがある。ほのかな木の香り、オレンジ色系(柑橘系のイメージではない)の熟した果実の落ち着いた香りも立ってくる。
暫くすると、香りの粘度が上がるよう。軽くキャラメルやココア、チョコレート、タフィーのような樽に由来するであろう香りも確認できる。
口に含むと、口当たりが優しい。ほのかな甘みとブランデーのような熟した円やかさが舌の上に馴染んで、中心辺りに安定して乗っかっている。柔らかな輪郭が口の中で心地良く転がる。
軽めだけれど、分かり易くもあり、複雑さもありといった感じ。

そして12年。
色自体は薄めだが、ゴールドの色調が綺麗に出ている。ライトを受けてブリリアントに内側から輝く。ほのかに緑色も見てとれる。
香りをかぐと、先ず感じられるのが、酸と甘みが美味く混じり合っていること。そして、黄色っぽい果実の風味が感じられる。その奥には、もう少し色の深いオレンジ色っぽい果実の食べ頃になった実の部分を感じさせる風味がある。また、ドライ・シトロンのようなフレーヴァーも後から感じられる。
最初の口当たりは、10年同様、優しいもの。穀物系の柔らかい甘みが口の中を緩やかに回っていく。しかし、ただ柔らかいだけではなく、アルコール感がボディをしっかり支えている。オイリーな柔らかさが、舌の両側にテイストを拡げていく。10年には感じられなかった複雑なハーブ感がある。アフターもラム(デメララ)のようなハーブ感がメインとなって余韻に残る。

2つを比べてみるて、誤解を恐れずに大雑把にいってしまうと、その表情は、10年は狙っているであろうブランデーのような感じに対して、12年がラムのように感じられたのは面白い。

 

2011030702.jpgここで、緊急参戦のスクエア・ボトルの8年と12年。こちらは、V.O.H.M.より少し前の70年代半ばのもの。ここで面白いのが、タイプ的には、スクエアの8年がV.O.H.M. 12年に近いハーベシャスな印象なのに対して、スクエアの12年とV.O.H.M. 10年が落ち着いた甘みを湛えたものといういこと。
ただ、口に含んだ時のモルトっぽいしなやかさとしては、順当に次のようになる。
(しなやか)                           (円やか)
スクエア8年 > スクエア12年 > V.O.H.M. 10年 > V.O.H.M. 12年

というわけで、V.O.H.M. の滑らかで優しいニュアンスと落ち着いたフレーヴァーは、是非、アメリカンにしないで楽しんでみて下さい。


西郷


2011年03月07日
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