6月のBGM 「夏至の日の夢」
6月。梅雨。私は決して嫌いではありません。特に初期の梅雨寒の日。細い銀線のような雨が音も無く降る日の午後、ヴァレリーの詩集でも読みながら、古い録音の演奏を聴く。そんな時間が好きです。でも6月梅雨の無いヨーロッパは最も耀いている季節。その頂点が夏至の日、そうミッドサマーでその夜は人が狂う日「真夏の夜の夢」。
梅雨を味わい来る夏への思いを考えて選曲してみました。いかがでしょうか。
1、 ベートーヴェン、モーツアルト、ピアノ&木管5重奏曲集《K・ワッツ(pf)オランダ木管ソリスト》
ちょっと爽やか曲で始めましょう。ベートヴェンの若かりし頃の作品とモーツアルトのもう晩年に近い作品を並べて演奏しています。この作品も含めベートヴェンってなんてメロディメーカーなんだろうと思ってしまいます。彼はソナタ形式の構成とか彫築ばかり強調されますが、音楽はまずメロディありきですね。オランダのメンバーが心から気持ち良さそうに演奏しています。

2、 ショパン、プレリュード、バラード他《B・モワセヴィッチ(pf)》
お約束のショパン。20世紀前半ピアノの巨匠の一人ベンノ・モワセヴィッチが1930年代から1950年代に録音した演奏を選んでみました。録音の悪いのもありますが、そこから聴こえる音楽の香りは素晴らしい物です。特にプレリュードでは色んな表情を見事に引き分けています。この時代の多くの演奏家が現代の若手演奏家より自由に表現を羽ばたかせているのに驚きます。

3、 カリオン「愛と祈りを歌う」《幸田浩子(Sp)新イタリア合奏団》
今をときめくソプラノ、幸田浩子の演奏です。彼女の舞台を何回か見ていますが、完璧なコロラチューラ・ソプラノであると同時にレジェーロも完璧にこなしています。このアルバムはその優しい部分を表現しています。いろんな人のアヴェ・マリアを軸に美しいメロディを堪能してください。

4、 M・ブロッフォ、ヴァイオリンコンチェルト《M・レビン(Vn)T・シッパーズ( Con)RIASシンフォニー》
またまた一昔前の演奏家を選んでしまいました。ヴァイオリン・コンチェルトの傑作を1950年代に彗星のごとく現れて71年に亡くなってしまったミヒャエル・レビンが往年の名指揮者トーマス・シッパーズをバックに演奏しています。そして小品集を演奏しています。1960年代の演奏。私がクラシックを聴き始めた頃のLPをこういう風にCDで改めて聴くと、それから数十年たった今でも良い演奏だったんだなとしみじみ思ってしまうのは間違いでしょうか。

5、 メンデルスゾーン、劇付付随音楽「真夏の夜の夢」《G・ヘルビッヒ(Con)シュターツカペレ・ベルリン》
昨年も6月に同じ曲を別な演奏家で選んだような気がします。そう夏至の日一夜の大騒ぎを描いた芝居、シェークスピアの「真夏の夜の夢」英語のミッドサマーが日本語訳で真夏になってしまったようですが。今年は生誕200周年。最近バッハを再発見した作曲家としての評価も高まっています。当時の東ドイツの選ばれた演奏家が慈しむように表現しています。






